回复: clannad渚线剧本注音计划
翌日(よくじつ)は、待(ま)ちに待(ま)った…というのも子供(こども)っぽいが、ようやく恋人同士(こいびとどうし)で過(す)ごせる休日(きゅうじつ)だった。
午後(ごご)から、商店街(しょうてんがい)へと繰(く)り出(だ)して、羽(はね)を伸(の)ばした。
演劇(えんげき)の達成感(たっせいかん)も手伝(てつだ)ってか、本当(ほんとう)に子供(こども)のように、俺(おれ)と渚(なぎさ)ははしゃいだ。
女(おんな)の子(こ)向(む)けのアクセサリーや小物(こもの)が並(なら)ぶ店(みせ)にも、初(はじ)めて入(はい)った。
ゲーセンで、男(おとこ)の子(こ)向(む)けのゲームを二人(ふたり)でプレイした。
無意味(むいみ)に、春原(すのはら)の部屋(へや)にも寄(よ)った。
あんたら幸(しあわ)せそうっすね!というツッコミが返(かえ)ってきた。
予想通(よそうどお)りで笑(わら)えた。
朋也(ともや)「ここまで、きたんだ。学校(がっこう)に寄(よ)ってかないか」
俺(おれ)はそう提案(ていあん)してみた。
渚(なぎさ)「でも、学校(がっこう)閉(し)まってると思(おも)います」
朋也(ともや)「なんとでもなるよ」
渚(なぎさ)「え、それは、いけないことだと思(おも)います」
朋也(ともや)「だからいいんじゃん。ドキドキして面白(おもしろ)いと思(おも)うぜ」
朋也(ともや)「ほら、いこう」
渚(なぎさ)「あっ、待(ま)ってくださいっ」
先(さき)に、校門(こうもん)を乗(の)り越(こ)える。
後(あと)からのぼってきた渚(なぎさ)を抱(だ)きかかえ、地面(じめん)に降(お)ろす。
渚(なぎさ)「すみません、動(うご)きにくい服(ふく)でして…」
すぐ目(め)の前(まえ)に渚(なぎさ)の顔(かお)。
少(すこ)し見(み)つめ合(あ)った後(あと)、離(はな)れる。
渚(なぎさ)「すごくドキドキしてます」
朋也(ともや)「だろ」
その手(て)を引(ひ)く。
朋也(ともや)「いこう」
校内(こうない)に忍(しの)び込(こ)むのもたやすかった。
探(さが)せば、どこかの鍵(かぎ)は開(ひら)いているものなのだ。
俺(おれ)たちは、演劇部(えんげきぶ)の部室前(ぶしつまえ)まで来(き)ていた。
渚(なぎさ)「入(はい)れますか」
朋也(ともや)「下(した)、開(ひら)いてる」
渚(なぎさ)「そこから潜(もぐ)り込(こ)むんですか」
朋也(ともや)「ああ」
渚(なぎさ)「服(ふく)、汚(よご)れちゃいます」
朋也(ともや)「そんなのはたけばいいだろ?」
渚(なぎさ)「これは、その…新(あたら)しい服(ふく)でして…」
渚(なぎさ)「今日(きょう)のデートのためにと…」
朋也(ともや)「嫌(いや)か?」
渚(なぎさ)「ええと…」
渚(なぎさ)「もうなんでもいいです。どこまでもついていきますっ」
朋也(ともや)「そうか。よし、先入(さきいれ)るな」
朋也(ともや)「あ、俺(おれ)が先(さき)に入(はい)って、中(なか)から開(あ)けてやればよかったんだな」
開(ひら)いてみせる。
渚(なぎさ)「遅(おそ)いですっ」
朋也(ともや)「ま、いいじゃん。こんなこと、普段(ふだん)しないだろ?」
渚(なぎさ)「女(おんな)の子(こ)がそんなところから出入(でい)りしてたら、ヘンな子(こ)です」
朋也(ともや)「そうそう。普段(ふだん)できない。だから、ドキドキして面白(おもしろ)いんじゃん」
朋也(ともや)「ふぅ…」
息(いき)を整(ととの)える。
しんとしていた。
こんな大(おお)きな建物(たてもの)の中(なか)にふたりきりでいる。
誰(だれ)も立(た)ち入(い)れない場所(ばしょ)。
大声(おおごえ)をあげても誰(だれ)にも届(とど)かない場所(ばしょ)。
胸(むね)が高鳴(たかな)る。
今(いま)まで、遊(あそ)び回(まわ)っていた場所(ばしょ)とは違(ちが)うんだ。
今(いま)、本当(ほんとう)にふたりだけでいるんだ。
この閉(と)ざされた場所(ばしょ)に。
渚(なぎさ)の横顔(よこがお)を見(み)る。
まだ、不安(ふあん)なのだろうか。誰(だれ)もいない廊下(ろうか)をドア越(こ)しに覗(のぞ)いていた。
俺(おれ)の彼女(かのじょ)…
乱暴(らんぼう)に言(い)ってしまえば、俺(おれ)のもので…
他人(たにん)がしたいと思(おも)ってもできないことでも、俺(おれ)なら許(ゆる)されるんだ。
渚(なぎさ)に片思(かたおも)いの奴(しゃつ)め…うらやましいだろう。
いるかどうか知(し)らないけどさ…。
いや、きっといる。こんなに可愛(かわい)い奴(やつ)、クラスにちょっとしかいない。
俺(おれ)は寄(よ)っていって、そっとその背中(せなか)を抱(だ)きしめた。
渚(なぎさ)「どうしましたか、朋也(ともや)くん」
じっとしていてくれる。
誰(だれ)も、こんなことできないんだ。俺(おれ)だけなんだ。
その首筋(くびすじ)に鼻(はな)を埋(う)める。
渚(なぎさ)のいい匂(にお)いに満(み)たされる。
こっちを向(む)かせて…キスしよう。
肩(かた)に置(お)いた手(て)に力(ちから)を込(こ)める。
渚(なぎさ)「あ…」
俺(おれ)の意図(いと)に気(き)づく前(まえ)に、渚(なぎさ)が声(こえ)をあげていた。
本当(ほんとう)に誰(だれ)か来(き)たのか?
その視線(しせん)の先(さき)を追(お)ってみる。
…黒板(こくばん)だった。
朋也(ともや)「どうした」
渚(なぎさ)「あれ、なんですか」
朋也(ともや)「あれって?」
渚(なぎさ)「なにか書(か)いてあります」
渚(なぎさ)「…わたしの名前(なまえ)です」
俺(おれ)の手(て)を振(ふ)りきって、黒板(こくばん)の前(まえ)まで歩(ある)いていく。
渚(なぎさ)「わたし、日直(にっちょく)になってますっ」
朋也(ともや)「ああ、ずいぶん前(まえ)の落書(らくしょ)きだな、忘(わす)れてた」
渚(なぎさ)「朋也(ともや)くんですかっ」
朋也(ともや)「ああ、そうだけど」
渚(なぎさ)「もう、こんなことしたらダメです」
渚(なぎさ)は、チョークを手(て)に持(も)つ。
…チョーク?
渚(なぎさ)は、自分(じぶん)の名前(なまえ)の隣(となり)に、何(なに)かを書(か)き足(た)す。
渚(なぎさ)「わたしひとりにしたら、ダメです」
…岡崎朋也(おかざきともや)。俺(おれ)の名前(なまえ)だった。
渚(なぎさ)「なんでも、一緒(いっしょ)がいいです」
朋也(ともや)「ああ…そうだな」
すごく幸(しあわ)せな気分(きぶん)になる。
朋也(ともや)「でも、なんだか…自分(じぶん)たちで相合(あいあ)い傘(がさ)を書(か)いてるようで恥(は)ずかしいな」
渚(なぎさ)「そうですか?
ちょっと恥(は)ずかしかったですか」
朋也(ともや)「ちょっとだけな」
朋也(ともや)「でも、この場所(ばしょ)は、当分(とうぶん)誰(だれ)も訪(おとず)れないだろうからな」
朋也(ともや)「もし来年(らいねん)、新入生(しんにゅうせい)が入(はい)ってきて、また演劇部(えんげきぶ)を作(つく)ったとしても…」
朋也(ともや)「その中(なか)に、俺(おれ)たちのことを知(し)る人間(にんげん)はいないし…」
朋也(ともや)「このまま残(のこ)しておいても、いいんじゃないかな」
渚(なぎさ)「じゃ、ずっとこのままです」
朋也(ともや)「ああ」
渚(なぎさ)「ずっと、一緒(いっしょ)です…えへへ」
これは記念(きねん)だ。
俺(おれ)たちが、ここで一緒(いっしょ)に過(す)ごして、頑張(がんば)ったという。
そして、俺(おれ)たちは出会(であ)い、付(つ)き合(あ)い始(はじ)めたという。
学校(がっこう)から抜(ぬ)け出(だ)すと、もう日(ひ)は暮(く)れかかっていた。
長(なが)い影(かげ)を伸(の)ばして、並(なら)んで歩(ある)いた。
渚(なぎさ)「今(いま)、すごく幸(しあわ)せです」
渚(なぎさ)「いろんな人(ひと)に分(わ)け与(あた)えてあげたいぐらいです…」
渚(なぎさ)「でも、身分不相応(みぶんふそうおう)といいますか…」
渚(なぎさ)「わたしには、すごく贅沢(ぜいたく)なことです…」
朋也(ともや)「んなこといったら、俺(おれ)だってそうだぞ」
朋也(ともや)「おまえみたいな彼女(かのじょ)がいてくれるんだから…」
朋也(ともや)「…贅沢(ぜいたく)すぎるだろ」
ああ、俺(おれ)はなんて恥(は)ずかしいことを言(い)ってるんだろう。
渚(なぎさ)「本当(ほんとう)ですか」
朋也(ともや)「ああ」
付(つ)き合(あ)い始(はじ)めてから、どれだけ時間(じかん)が経(た)っただろう。
付(つ)き合(あ)い始(はじ)めた頃(ころ)より、渚(なぎさ)のことが好(す)きになっていた。
渚(なぎさ)「ふたりが贅沢(ぜいたく)って思(おも)ってるなら…」
渚(なぎさ)「それはすごく恵(めぐ)まれたカップルです」
カップル…なんて、自分(じぶん)で言(い)えるのだから、笑(わら)える。
そういうところも大好(だいす)きだ。
渚(なぎさ)「相性(あいしょう)バッチリです」
渚(なぎさ)「…えへへ」
自然(しぜん)と手(て)を繋(つな)ぐ。
朋也(ともや)「………」
その手(て)が、やけに熱(あつ)かった。
朋也(ともや)「渚(なぎさ)…?」
その顔(かお)を覗(のぞ)き込(こ)む。
渚(なぎさ)「はい…なんでしょうか」
夕日(ゆうひ)のせいか、顔かお)は赤(あか)いままだ。
俺(おれ)はそっと、その額(ひたい)に手(て)を当(あ)てた。
…熱(あつ)い。
朋也(ともや)「渚(なぎさ)…おまえ、熱(ねつ)あるんじゃないのか」
渚(なぎさ)「いえ、大丈夫(だいじょうぶ)です」
ずっと、気取(きど)られないようにしていたのか。
朋也(ともや)「いつから、熱(ねつ)っぽかったんだよ…」
渚(なぎさ)「ぜんぜん平気(へいき)です…」
朋也(ともや)「俺(おれ)に嘘(うそ)なんてつくなっ」
渚(なぎさ)「ごめんなさいです…」
渚(なぎさ)「実(じつ)は学校(がっこう)を出(で)てから、熱(ねつ)っぽかったです…」
朋也(ともや)「馬鹿(ばか)…早(はや)く言(い)ってくれ…」
渚(なぎさ)「ごめんなさいです…」
朋也(ともや)「もう、いいから…」
朋也(ともや)「帰(かえ)ろうな」
俺(おれ)は渚(なぎさ)の脇(わき)に腕(うで)を回(まわ)して、歩(ある)き始(はじ)めた。
朋也(ともや)「どうでしたか、早苗(さなえ)さん」
早苗(さなえ)「大丈夫(だいじょうぶ)ですよ。落(お)ち着(つ)いてください」
朋也(ともや)「すみません…俺(おれ)が無理(むり)させすぎたかもしれないです」
早苗(さなえ)「そんなに恐縮(きょうしゅく)しないでください。自分(じぶん)の彼女(かのじょ)じゃないですか」
朋也(ともや)「え…知(し)ってたんですか」
早苗(さなえ)「わかりますよ、それぐらい。自分(じぶん)の娘(むすめ)ですから」
朋也(ともや)「至(いた)らない彼氏(かれし)っす」
早苗(さなえ)「そんなことないですよ」
早苗(さなえ)「岡崎(おかざき)さん」
朋也(ともや)「はい」
早苗(さなえ)「朋也(ともや)さんとお呼(よ)びしていいですか」
ますます渚(なぎさ)に似(に)てきた。まぁ、渚(なぎさ)は『くん』だけど。
朋也(ともや)「ええ、そうしてください」
早苗(さなえ)「では、朋也(ともや)さん」
朋也(ともや)「はい」
早苗(さなえ)「渚(なぎさ)はこんなふうに体(からだ)が弱(よわ)い子(こ)ですが…末永(すえなが)くお付(つ)き合(あ)いください。よろしくお願(ねが)いします」
朋也(ともや)「いえ、こちらこそお願(ねが)いしたいくらいです。嫌(きら)われないようにしないと…」
早苗(さなえ)「大丈夫(だいじょうぶ)ですよ。何(なに)かあったときは力(ちから)になります」
朋也(ともや)「それは頼(たの)もしいです」
早苗(さなえ)「朋也(ともや)さんも疲(つか)れたでしょう。渚(なぎさ)のことはわたしに任(まか)せて、休(やす)んでください」
朋也(ともや)「一日中(いちにちじゅう)遊(あそ)んでおいて、面目(めんぼく)ないです」
早苗(さなえ)「いいえ」
朋也(ともや)「それじゃ、お言葉(ことば)に甘(あま)えさせていただきます」
早苗(さなえ)「はいっ」
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seagull 最后编辑于 2009-08-03 14:33:55